『ENJOY COFFEE TIME』が京都の喫茶&カフェとお客様を繋げ、和を広げ続けている。
2016年5月、元・立誠小学校跡地の施設(現:立誠ガーデンヒューリック京都)の職員室を利用して、そのイベントは初声をあげた。
1日限りで8店舗のコーヒー店と、フードやワークショップに物販の3店舗を含む計11店舗が集まり始まった「ENJOY COFFEE TIME」(※以下、ECTと表記)は7年の月日を数え、次回開催で19回目(番外&特別企画を除く)を迎える。
飲み比べが出来るお得なチケットや、或いはお目当ての店舗のコーヒーを堪能するなど利用方法は幅広く、最近ではフードを取り揃える店舗も常に参加しバリエーション豊かに一日中楽しめるイベントと化し、今では出店する店舗の顔触れが毎回変化するほどに参加店の数は増え続け、京都・喫茶&カフェのモンスターイベントとして存在している。
京都の「まち」には喫茶文化というものが根付き、この小さな都市に沢山の大学がある事からも、コーヒーを介し、また傍らに過ごす時間が老若男女問わずに繰り広げられてきているように感じれれば、それが一つの社会勉強やリアルな人間模様に触れる機会を築いているように思う。
また「おもてなし」の意識が、昔から商談や打ち合わせなどのミーティングだけに留まらず、仲間や友人達との会話や議論のタメに対面で話すことの場所として、わざわざ喫茶やカフェを利用する習慣もあるのだと思う。
中でも特別に思えるのは、うどんそば屋ではないコーヒー屋さんが、出前をしている姿が、少なからず以前は当たり前のように目立っていて、これは招き入れた方々への心遣いとして、良いモノを提供したいという茶道にも通ずるような配慮だったようにも思うのです。
それほどに、生活の中に「コーヒー」という飲み物が浸透している京都において、このイベントがもたらした成果というのは『コーヒー文化の再構築』だったのではないでしょうか。
当初は、京都の喫茶&カフェを巡るツアーガイドも数々担当する京都コーヒー界のドン牧野氏(現:COFFEE BASE Co.Ltd)と、イベントプランナーである鈴木氏(現:株式会社SEASONS)が中心となって協賛企業とも連携していたイベントは、現在ECTの実行委員会が立ち上がるほどに成長を遂げ、主催や運営を行いながら、京都の話題スポットを利用して定期的に開催され、常に注目を集め続けています。
数々の場所で行われてきた『ECT』は、常に京都の喫茶やカフェ同士の繋がりを広げながら、また何よりもお客様がコーヒーを楽しみ、お店の人や参加者同士との会話も楽しみながらコーヒーを介している。
その光景は、まさに京都の喫茶文化がもたらす醍醐味であり、新時代に入った近年にも絶やしてはいけないだろうECTが掲げる『コーヒーをテーマに人やお店が繋がり文化として地域に根ざすイベント』として、私達が忘れてはいけない「何か」をコーヒーという飲み物を通して教えてくれているのだと思う。
そして、その先にそれぞれのお店が自らの地でお客様を出迎え、互いの時間を大切に過ごしていくのです。
編集部 奥野 薫平